花粉症のメカニズム

順番が逆になりましたが、花粉症のメカニズムについて書きます。

花粉症のメカニズム
次のようなメカニズムで、花粉症(アレルギー症状)が起こります。
①花粉が目や鼻から入ってきます。
②リンパ球が花粉を侵入者と認識します。
③このリンパ球が抗体(IgE抗体)を作ります。
④このIgE抗体が目や鼻にある肥満細胞にくっつきます。
⑤再び花粉がやってきます。IgE抗体と花粉が結合します。
⑥肥満細胞から、化学物質(ヒスタミンなど)を放出して、花粉を体外に出そうとします。

そのため、くしゃみで吹き飛ばす、鼻水・涙で洗い流す、鼻づまりで中に入れないよう防御するなどの症状が出てくるのです。
図:花粉症のメカニズム
出典:花粉症ナビ

②③の過程をもう少し詳しく書くと、
マクロファージが異物発見→→ヘルパーT細胞に伝達→→Th2細胞へ変化・活性化(IL-4)→→B細胞の活性化→→IgE抗体産生  となります。
Th2細胞の働き②
出典:イムバランス

指令物質として、「Th2細胞」からは「IL-4(インターロイキン4)」が分泌され、B細胞に抗体を作るよう指示を出します。
免疫バランスが崩れ、Th2細胞が過剰になるとアレルギー症状が起こるのです。
しかし本来、体は、どちらか一方の反応が過剰にならないように、Th1細胞およびTh2細胞から分泌される「IFN-γ」と「IL-4」のサイトカインがお互いの働きを抑制し合うようにも働いています。そうして、Th1細胞とTh2細胞による獲得免疫のバランスは保たれているのです。

つらさ軽減、花粉症対策

花粉症に悩まされる、つらい春がついにやってきました。私も花粉症歴23年目を迎えました。一般には、症状が起こってからは、抗ヒスタミン剤等の服用で症状を抑えひたすら我慢と考えられていますが、ほかに手立てはないかを考えてみました。

花粉飛散開始前の早めの薬の服用開始により、飛散後の花粉症の症状が抑えられることは、一部データとしても出ています。このデータは、花粉飛散開始前から抗アレルギー剤を投与し、QOL(生活の質)の改善が見られるというデータが出ています。

 

花粉症の予防としては、口や目・鼻から花粉を体内に入れない。これが、基本的でもっとも重要なことです。体内に入れなければアレルギーを引き起こす抗体も作られず、発症もしません(当然ですね)。マスク、めがね、ゴーグルを使用して、飛散量の多い昼前後、日没後には外出しない、部屋にはなるべく花粉を持ち込まないこと。

そのためには着衣、衣服はつるつるした素材がよく手足の長いフリース、ウールは避ける。
「花粉症環境保健マニュアル(環境省)」によると、花粉の綿に対する吸着率を100とすると、絹150、化繊180、ウール980である。

また、静電気防止スプレーを併用することが、花粉の付着防止につながる。
家に入るときは家の外で上着をしっかり払う。また、粘着テープで花粉を取った後入室する。

窓は、頻繁に開けない、洗濯物は部屋干し、あるいは乾燥機で行う。布団も布団乾燥機などを有効に使う。

アレルギー原因物質の力を弱めることで、アレルギー症状を軽減することもできます。
空気中の水分を利用して花粉などのタンパク質を変性させ原因物質を無効化できる技術が、空気清浄器に応用されています。電気店などで聞いてみてください。

食生活
アレルギーを抑えるための食事としては、菜食中心、肉と魚では、魚主体がよい.主食は米食、特に玄米食がよい.などが一般にいわれています.また、ヨーグルトなどの乳酸菌食品は腸の免疫系を通じてアレルギーを抑えるといわれています.
これらは、これまで経験的にいわれている部分が多かったのですが、最近は、徐々に科学的な裏づけとなるデータもでてきました.
昨年、米ぬかに含まれる抗アレルギー物質が確認され話題となっています.また、乳酸菌食品についての臨床試験で、実際にアレルギー症状を緩和させるものがあったという報告もあります.
一方、アルコールは、一般に鼻炎症状を悪化させます.

睡眠・その他
睡眠不足は、生体内のホルモンの日内変動のバランスを崩すので、アレルギー症状を悪化させるといわれています.
ストレスがアレルギー症状を悪化させることについても、最近、いくつか報告があります.

EPAとDHA

イヌイット
カナダ北部などの氷雪地帯に住む先住民族のイヌイットは野菜はほとんど摂らず、アザラシなどの肉が、主食となっている。
其れにもかかわらず、牛、豚、羊など肉食中心のヨーロッパ人より、心筋梗塞になる方が非常に少ない。
調査の結果、イヌイットの血液中に含まれるEPAが、ヨーロッパ人に比較して、多いことがわかってきた。彼らの摂っているEPAは、アザラシなどが主食とする青魚に由来することがわかってきた。

EPAの働き
EPAは、人間の体では合成されにくい必須脂肪酸であり、血管・血液を健康に保ち、「血液をサラサラにする」「中性脂肪値を下げる」「血管年齢を若く保つ」「心臓病・脳梗塞を防ぐ」「動脈硬化を防ぐ」などの効果ある。

油の多い魚は、EPAがたっぷり。100mg中に含まれるEPAの量
まいわし-1,381mg 本まぐろ(トロ)-1288mg さば-1,214mg まだい-1,085mg
ぶり(天然)-899mg さんま-844mg さけ-492mg あじ-408mg かれい-210mg
ひらめ-108mg かつお-78mg 本まぐろ(赤身)-27mg ふぐ-4mg

EPA・DHAの適切な摂取量について
厚生労働省は、国民の健康維持を目的とした基準の中で、DHA・EPA合わせての目標摂取量を1日1gと推奨しています。1日3g以上の摂取は避けるとしているところもあります。
余談ですが、私、医療用のEPA(ジェネリック)を1日3回(600mg×3)を、1ヶ月以上服用して、γ-GTPが異常値まで上昇した経験があります。個人差があるとは思いますが、要注意です。

DHA
脳や網膜などの神経系に豊富に含まれている栄養素であることがわかりました。注目されたきっかけは、「日本の子供の知能指数が高いのは、漁食の影響ではないか」と、考えられたことです。

DHAとEPAの違い
EPAの血液健康な状態にするという働きについていえば、DHAはその働きを完全にカバーするものではないと考えられています。
食品からEPA/DHAを摂取すると、血液中のEPA濃度は比較的順調に上がっていきますが、DHAの濃度はあまり変化しません。

成人には、EPA、乳幼児にはDHA
EPAは純度がほぼ100%の濃度の医薬品で研究が行われ、人が食べるとどうなるかと言うことが、わかっています。
DHAでは100%濃度のものでの研究がほとんどなく、EPAも混ざった漁油による研究の結果が語られているのが実情である。
結果として、DHAで確定的にいえるのは脳や神経に存在すると言うことまでである。
すなわち、現時点では体のできあがった成人の健康にはEPA、脳が作られる成長期の乳幼児にはDHAと言うことになる。